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2018年2月、我が家のCクラスC200(W204)が3回目の車検を迎えました。
納車から年数は経過しているものの、年間走行距離が非常に少なくトラブルは皆無でヤレもありません。
さて今回、ディーラーから代車としてメルセデス・ベンツCクラス、C200(W205)を借りることができました。
2014年、W205が日本でデビュー後、各メディアから様々な評価が飛び交ってきました。そこで今回、遅ればせながらW205をインプレッションしてみたいと思います。
アジリティに磨きをかけたW205
メルセデスCクラスW204に与えられたキャッチコピーは「アジリティ」。この路線はW205にも引き継がれ、更に磨きがかかっています。
CクラスC200、W205のスペックはこちら。
メルセデス・ベンツC200(W205) | |
全長(mm) | 4,690 |
全幅(mm) | 1,810 |
全高(mm) | 1,435 |
車両重量(kg) | 1,540 |
ホイールベース(mm) | 2,840 |
最小回転半径(m) | 5.1 |
エンジン | ハイオクガソリン
274型 1,991cc DOHC 直列4気筒 ターボチャージャー付 |
内径×行程(mm) | 83.0×92.0 |
圧縮比 | 9.8 |
最高出力(PS/rpm) | 184/5,500 |
最大トルク(kg・m/rpm) | 30.6/1,200-4,000 |
変速機 | 9速AT |
駆動方式 | FR |
サスペンション | F: 4リンク
R: マルチリンク |
タイヤ(前後) | (純正)
BRIDGESTONE TURANZA 225/50R17 94W |
ブレーキ | F: Vディスク
R: ディスク |
JC08モード燃費(km/l) | 14.2 |
燃料タンク容量(L) | 66 |
※アイドリングストップ機能、電動パワーステアリング、可変バルブタイミング、筒内直接噴射
高いボディ剛性はメルセデスの基本
CクラスW205のボディサイズは欧州のトレンドを受けて更に拡大され、全長:4,690mm、全幅:1,810mm。かつてのW124、Eクラスとほぼ同サイズ。車両重量は1,500kgを超えて1,540kg。
各部にアルミ素材を採用して剛性を確保しながら軽量化され、W204の車重に対してプラス40kgに収まっています。
メルセデスのボディ剛性については過去のブログで書いてきたこともあり、ここでは割愛します。100,000km走行しても、ボディからガタピシ感が出ないのがメルセデスの伝統。
W205のボディも鬼剛性を確保しています。
よりスポーティーになったサスペンション
自動車の乗り心地は、サスペンションとタイヤのダンピング性能を分けて考える必要があります。そして細かく言えば、サスペンションはスプリングレートとショックアブソーバーの伸び側と縮み側の減衰特性を分けて考える必要があります。
そこまで感じ取る人は少ないと思いますけど、手抜きされている車のサスペンションはスプリングレートは標準的ながら、ショックアブソーバーがスムースにストロークしません。
今回、C200 W205に試乗して感じたことは、 W205のサスペンションはW204より固められている印象を受けます。そして、バネ下のタイヤがブリヂストンTURANZAのランフラットということもあり、乗り心地の面で若干不利な印象は否めません。
近年、欧州車はランフラットタイヤをデフォルトで履くモデルが多く、これはスペアタイヤの存在意義が問われている証なのでしょう。
ランフラットタイヤの功罪
日本国内でタイヤがパンクする確率は非常に低く、うる覚えながらパンクの確率は80,000kmに1回程度と聞いたことがあります。これは、ある程度頷けるデータかもしれません。
その間、重くて嵩張るスペアタイヤがトランクルームを占領しているのは、軽量化とエコの時代に反するかもしれません。
しかし、ランフラットタイヤは洗練されてきたものの、パンクしても100kmほどの走行性能を担保する必要があるため、サイドウォールを強化せざるを得ません。ランフラットタイヤは乗り心地が硬めになるのは当然です。
今後もランフラットタイヤは進化していくと思われますけど、現時点での乗り心地に関しては普通のラジアルタイヤには及ばないのが真実です。
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上記のページで書きましたけど、ランフラットタイヤに対して賛否両論があります。管理人は今の段階では、まだ普通のラジアルタイヤの方がメリットがあると思いますね。
現在、W205のオーナーはタイヤ交換時に普通のラジアルタイヤに履き替えて、トランクにパンク修理キットを忍ばせておくのも1つの方法。
なお、これは自己責任でお願いします。
(追記)
2018年、CクラスW205は6500箇所に及ぶ変更を受けてマイナーチェンジ。タイヤがランフラットからラジアルタイヤに変更されました。
AMGっぽいサスペンション
本題に戻りますと、おそらくW205の実験部隊はサスペンションのセッティングに相当の時間とコストをかけて開発したものと感じます。
試乗したW205のタイヤサイズは「225/50R17 94W」。
このタイヤサイズで操縦安定性と乗り心地をバランスさせて、メルセデス流の乗り味を具現化するために多くの開発時間が割かれたのではと推測されます。
その答えがW205の足。
W205のサスペンションセッティングとタイヤ選択については、好みと評価が分かれると思います。
管理人はW205のサスペンションはスポーティーで好みです。しかし、サスペンションにしなやかさを求める人であれば、W205のサスは硬めの印象を受けると思います。
やはり、タイヤは普通のラジアルタイヤがいい。ミシュランの「プライマシー3」か「パイロットスポーツ3」あたりが好み。「プライマシー3」を履けば、路面からの微振動がだいぶ消えるでしょう。
これがBMW3シリーズの足であれば、「BMWらしいねっ!」で話が終わることでしょう。メルセデスCクラスの足はBMW化しているのでしょうか。
よりクイックなハンドリング
W205のステアリングを握って最初の交差点を曲がると、ステアリングの操舵力はW204と同等。それと同時に回頭性の良さに意表を突かれます。W205は、あたかもスポーツカーのように曲がっていきます。
ステアリングのギヤ比が関係しているのかもしれませんけど、車重が1,500kg超の車とは思えないほど軽快感があります。とにかく車体がステアリング操作に対してレスポンスが良く、W205はグイグイと曲がろうとするキャラクター。
それでいて、電動パワーステアリングが上手く制御しているのか、荒れた路面での直進安定性はメルセデスそのもので外乱の影響をほとんど受けません。
また、電動パワステ特有のステアリングのN付近(中立付近)の金縛り現象はまったくと言っていいほど感じられません。
若干、強くなったセルフアライニングトルク
メルセデス・ベンツは伝統的にステアリングのセルフアライニングトルクが弱めのセッティングが長く続いてきました。低速域で大舵角を与えた後、ドライバーは意識的にステアリングを戻してあげるアクションが必要でした。
W205の電動パワーステアリングは味付けの変更を受けたのか、従来のメルセデスと比べてセルフアライニングトルクが若干、強くなりました。操舵後のステアリングの戻りが早くなっています。
相変わらず、操舵後のステアリングが中立位置へ戻っていく速度が一定で滑らかなフィーリングはメルセデス特有の世界です。
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3リッター級のDOHC直列4気筒、直噴ターボエンジン
W205からエンジン排気量が2L化され、最大出力はW204と同等ながらトルクアップされて30.6kg・m/rpm。
発進時、軽くアクセルペダルを踏み込むと、9速ATが2,500rpmあたりでテンポ良くシフトアップしていきます。
9速ATが2,000rpm以下の低速トルク不足を上手に補ってくれることもあり、多段化ATの恩恵はここにあります。
このエンジンはドライバビリティを優先させたエンジンと言えます。2リットルエンジンであれば、タービン次第でパワーアップは容易ながら、3リットルV6エンジン並のトルクに抑えてあります。
アクセルペダルを少々深く踏み込むと、9速ATがレスポンス良くシフトダウンして1,500kg超の車体を力強く押し出してくれます。これでしたら、市街地から高速道路、ワインディングロードまでパワーとトルクは必要十分です。
ハイレスポンスな9速AT
加速中、タコメーターに目をやると、シフトアップ時の変速スピードが非常に早く、DCTと勘違いするほど。
1速
▼
2速
▼
3速
▼
4速と
各ギヤにシフトアップする瞬間、タコメーターの針が落下するように下がり、上昇を繰り返していきます。
もちろん、変速ショックは皆無で走行中、何速に入っているのかは分かりません。
ちなみに、ECOとComfortモードを選択すると2速発進するようです。
モダンクラシック的なインテリア
近年のメルセデスはAクラスからSクラス、CLAやGLAに共通するインテリアデザインが与えられています。
3連のエアコン吹き出し口に幅広のセンターパネルが特徴。各メッキパーツが艶消し処理されて上質感が漂います。
各スイッチやパーツのデザインが柔らかな曲線と曲面で統一されています。
上の写真のコマンドコントローラーのデザインは美しいの一言。陰影そのものがアートしています。
1990年代のメルセデスを知っている人からすると、今日のメルセデスのインテリアは随分モダンな印象を受けるはず。かつてのメルセデスのインテリアは機能が第一優先で、ドイツ人的な生真面目さがにじみ出ていました。
今となっては、インテリアと各スイッチ類のデザインは機能性だけではなく、デザインも大切という答えであり、メルセデスの提案なのでしょう。
セダン共通のボディデザイン
CクラスのW205からEクラス、Sクラスにかけて、ボディデザインのテーマが共通。遠目に眺めると、CとE、Sの違いが判別できないほど。
2018年にCクラスW205のマイナーチェンジが噂され、フェイスリフトが予定されているようです。今後のCクラスの動向が注目されます。
P.S.
ドイツ市場で販売されているメルセデスと日本市場で販売されているメルセデスは同一ではありません。日本仕様のメルセデスはフル装備がデフォルトのようで、サスペンションやタイヤサイズは現地仕様と違いがあるようです。
今回、W205の代車に試乗して、このC200はメルセデス・ベンツ日本が指定した仕様なのかもしれません。
差し出がましいことを言うようですけど、Cクラスのマーケティングを更に日本市場に浸透させるためには、もう少し煮詰めが必要かもしれません。
メルセデス・ベンツ日本はメルセデスオーナーの年齢層を引き下げるために、今まで挑戦的とも言えるトライを仕掛けてきました。しかし、マーケティングの中でターゲティングにズレがあるような気もします。
例えるならば、おじさんが落ち着いたムードが漂う癒しを求めて姉キャバに入店したとしましょう。
一般的に姉キャバは、20代後半から30代の女性が夜の蝶として舞うキャバクラ。ところが、店内に入るとチョット無理がある化粧とドレス、アクセサリーで決めた姉キャバ嬢たちがお出迎えなのです。
オイオイ、ちょっと若作りしすぎかも?
そこまでしなくてもイイと思うけど。
言い換えると、「ちょっと、もったいない。セットアップ次第でもっと売れるのに。」と思いつつ、W205を返却したのでした。
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