メルセデス・ベンツのCLSクラス(W219)が登場したのが2005年。2代目のC218、そして2018年に登場した3代目のC257は、どれもデザインコンセプトが貫かれています。
CLSクラスはワイド&ローのプロポーションで屋根が低いのが特徴。2000年代から欧州では、4ドアクーペが熱いようです。
サメ顔のメルセデスCLSクラス
メルセデスCLSが登場した当時、トヨタのカリーナEDを彷彿させるデザインと評価されたようです。これは決してネガティブな意味ではなく、メルセデスが4ドアハードトップを世に放ったことが衝撃的だったようです。
そして、FFプラットフォームを採用するメルセデスCLAクーペもCLSクラスを彷彿とさせるボディデザイン。デザインテーマはサメ。
欧州勢のBMWやアウディのラインアップを眺めても、4ドアクーペのボディをまとったモデルがラインアップに華を添えています。
トヨタのデザイン力は20年進んでいる?
トヨタのカリーナEDがデビューしたのが1980年代の後半。4ドアセダンの屋根をプレス機で押し潰したようなカリーナEDのデザインはエポックメイキングなものであったようです。
確かにルーフを下げることで乗員のヘッドクリアランスが狭くなってしまうものの、居住空間よりもボディデザインを優先させたカリーナEDはある意味、贅沢なコンセプトの車だったのかもしれません。
今となっては、カリーナEDは20年先の欧州のトレンドを先取りしていた車であったと言えるでしょう。
トヨタは独創的なボディデザインを与えた車を世に送り出す自動車メーカーと言えるかもしれません。市場の意見は様々ながら、50系プリウス、C-HR、アルファード、ベルファイアは世界的に類を見ないデザイン。あと、大ヒットした30系プリウスも同様です。
2005年に登場したメルセデスCLSが市場にインパクトを与え、その後、メルセデスのデザインに大きな影響を与えてきたモデル。2013年に登場したCLAクーペはCLSを彷彿とさせる面で構成されています。
欧州の4ドアクーペ
3代目のCLSクラス(C257)のフロントセクションはAクラス(W177)と共通性があるデザイン。サメをイメージしてデザインされたCLSクラス(C257)は今後のメルセデスデザインの1つの方向性を示しているのでしょう。
欧州のBMW4シリーズやアウディA5は全高を抑えたプロポーション。欧州では4ドアクーペがラインアップを飾り、1つのトレンドと言えます。
BMW M4
AUDI A5 Sportback
ボディデザインの多様性
かつてのメルセデスのデザイン・コンセプトからすると、4ドアクーペボディは1つの方向性であり、メルセデスのマーケットに対する提案なのでしょう。
メルセデスはラインアップに派生デザインを取り入れることで、より幅広い層へ訴求力を高めているような印象を受けます。
このような事実からも、日本の自動車メーカーが欧州車を後追いしているだけではなく、欧州の自動車メーカーが日本車の歴史を研究し、きらりと光るエッセンスを取り入れる姿勢が興味深いものです。