2019年3月1日、新東名高速道路の「新静岡IC~森掛川IC」間の最高速度が110km/hから120km/hへ引き上げられました。
そして、2020年12月22日より、御殿場JCT~浜松いなさJCTまでの区間が最高速度120km/hに設定されました。
最高速度120km/hの対象車両は125cc超のバイク、普通自動車、中型乗用自動車(マイクロバス)、大型乗用自動車(大型バス)、準中型自動車、中型貨物自動車。
そして、大型トラックやトレーラーの最高速度は今までどおりの80km/hに制限されています。
(2024年4月より、大型トラックの最高速度は90km/h)
「御殿場JCT~浜松いなさJCT」の区間において、普通車とトレーラーの速度差が40km/hということもあり、より慎重な運転がドライバーに求められるようになりました。
管理人は高速道路の最高速度の引き上げに対して、諸手を挙げて賛成の立場を取る一人。それと同時に、ドライバーがどのような車両を運転するかにより、車線の使い方と運転モラルが問われる時代に突入したと思うのです。
では、「御殿場JCT~浜松いなさJCT」区間の車線の使い方と運転モラルについて呟いてみたいと思います。
新東名高速道路の車線の使い方
新東名高速道路は片側3車線。
新東名高速道路を走行中、一番左の車線が「第一通行帯」。その右側が「第二通行帯」。一番右側の車線が「第三通行帯」で通称、追い越し車線と呼ばれます。
大型トラックとトレーラーは第一通行帯、または、第二通行帯の走行が基本。中型や小型トラックでも同様だと思います。
そして、ミニバン、1BOX、軽自動車も第一通行帯、または、第二通行帯の走行が適切。これには、2つの理由があります。
軽自動車
売れ筋のハイト系、軽自動車の車重は800~900kg台。そして、軽自動車のエンジン排気量は660cc。もちろん、NAとターボモデルを比較すると、動力性能に違いがあります。
ハイト系、軽自動車の全高は1,650mm前後から、トール系ともなると1,800mm前後に達します。軽自動車の全幅は1,480mm以下のため、当然、背高ノッポのボディ形状は物理的に不安定。
ハイト系の軽自動車はボディの空気抵抗が大きく、100km/hあたりから120km/hまで加速させるためには、アクセルペダル全開でも、かなり時間がかかります。
まとめると、人気のハイト&トール系、軽自動車は次のような傾向が強くなります。
・軽自動車としては車重が重い
・全高と重心が高く不安定
・全高が高く空気抵抗が大きい
・車重に対してエンジンパワーが非力
NAエンジンを搭載する軽自動車の最高速度は130km/hあたり。そして、ターボエンジンを搭載する軽自動車の最高速度は140km/hあたり。
この時、エンジンは唸り、風切り音が増大します。
軽自動車の120km/h走行は不可能ではないものの、ほぼ軽の限界速度。
つまるところ、軽自動車の120km/h巡航は無理があり、軽の第三通行帯の走行は各種車両の円滑な流れを乱す原因になります。
更に、ハイトやトール系の軽自動車が120km/hで走行中に事故を起こしたら、横転する確率が高くなります。よって、乗員が生還できる確率は低いと言わざるを得ません。あるいは、乗員は大怪我を負うでしょう。
各軽自動車メーカーは衝突安全性を考慮して軽を設計しているものの、軽自動車は物理的に安全性能に限界があるのは否めません。
やはり、軽自動車は第一通行帯、または、第二通行帯の走行を厳守すべきでしょう。
ミニバン、1BOX
ミニバンや1BOXは当然ながら全高が高く、ミニバンの全高は約200cm弱、TOYOTAハイエースの全高はモデルによって220cmを超えます。
全高が高い車両は重心が高く、当然ながら高速安定性が低くなります。
ミニバンや1BOXで高速道路を走行中、強風に煽られると車体が簡単に左右へふらつきます。
これは、電子制御でどうにかなる問題ではありません。
管理人は今まで、ミニバンや1BOXが新東名高速道路の追い越し車線を飛ばしていくシーンを何度も見ています。これは、かなりリスクが高く、危険な走行。
やはり、管理人はミニバンと1BOXは第一通行帯、または第二通行帯の走行が適切だと思うのです。
新東名高速道路で100km/h以下で走行すべき車両
軽自動車
管理人は軽自動車のステアリングを握り、高速道路を走行した経験があります。結論として、軽自動車は高速道路が苦手。本当、無理があります。
軽自動車で100km/h巡航中、上り坂にさしかかると見る見る車速が低下していきます。これは、後方の渋滞を招いてしまいます。
よって、軽自動車のドライバーは高速道路の上り坂が視界に入ってきたら、積極的にアクセルペダルを床まで踏み込む必要があります。
更に、軽自動車が横風にあおられたり、大型トラックを追い抜く際、車体が風の影響を受けて不安定になります。
とかく、軽自動車で100km/hを維持するためには、ドライバーの運転操作は忙しくなり、緊張感が高まります。増してや、その20%増しの120km/hともなると、もはや軽自動車の巡航速度ではないのです。
日産デイズルークスで120km/h走行
エンジンが唸り、風切り音がかなりキャビンに入ってきます。
新東名高速道路の「御殿場JCT~浜松いなさJCT」間の最高速度が120km/hであっても、管理人は軽自動車の巡航速度は100km/h以下が適切だと思うのです。
ミニバン、1BOX
前述のように、ミニバンと1BOXは全高が高くて横風に弱く、不安定な乗り物。ちょっとしたハンドル操作のミスで車体のバランスが崩れてしまい、大事故を招いてしまいます。
ミニバンの大事故
動画の黒いミニバンのドライバーは脇見運転、あるいは居眠り運転なのか、車体のバランスが崩れ、第一通行帯の車に接触して横転する大事故が発生!
1BOXの大事故(視聴注意)
動画の白い1BOX車両は明らかな速度超過の状態。そして、路面はウエット。
1BOXが右カーブに差し掛かり、ドライバーがステアリングを右に操作した瞬間、車体のバランスが崩れて蛇行運転が始まり、ドリフト状態でコントロール不能に。
その直後、1BOXがクラッシュして乗員が車外へ放り出されています。(視聴注意)
これらのYouTube動画からも分かるように、ミニバンと1BOXはわずかな運転操作ミスで簡単にバランスを崩してしまう車両。
全高が高い車両は、わずかなステアリング操作でも車体がロールしやすくなります。
ミニバンや1BOXが高速道路を走行中、一旦、左右方向の荷重変化(ローリング)が発生すると、シーソーのようなロール方向の動きが始まり、ドライバーの運転操作ではコントロールできなくなる危険性をはらんでいます。
新東名高速道路の「御殿場JCT~浜松いなさJCT」間の最高速度が120km/hであっても、ミニバンと1BOXの巡航速度は100km/h以下が適切でしょう。
まとめ
新東名高速道路の最高速度が120km/hへ引き上げられたのは、日本の高速道路の歴史上、大きな変革と言えます。長年、続いてきた高速道路100km/h呪縛の重い鉄の扉が開き、高速移動時代が到来したのです。
そして今後、高速道路の120km/h区間が拡大されていく可能性があります。
ただ、現行の軽自動車規格では120km/h巡航は無理があり、全高が高いハイト&トール系車両の高速巡行は安全とは言い難いものがあります。
そして、ミニバンと1BOXは重心が高いという物理的な特長があるため、全高が高い車両の120km/h巡航はハイリスクだと考えるのは管理人だけではないと思います。
もちろん、高速道路の最高速度が120km/hであっても、必ずしも120km/hで走行しなければならないわけではありません。100km/h以下で第一、または、第二通行帯を走行してもいいのです。
2019年3月、高速移動時代の幕開けとなり、ドライバーは交通の流れを乱さない車線の使い方と高い運転モラルが求められるようになりました。それと同時に、高速ドライビングスキルも求められています。
ドライバーが高速道路の120km/h区間を走行する際、より周囲の車両の流れに注意を払いながら、改めて運転マナーとは何かを意識したいものです。
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コメント
軽自動車やワンボックスがどうのこうのではなく、制限速度100キロや120キロで走っていても、それ以上のスピードで巡行して走り、追い抜こうとする車に問題があるのでは?スピード違反もだけど、追い越し車線を継続して走っていれば違反になります。運転マナーの前に交通法規を守らないと。
前者さんと被るコメント失礼します。
水掛け論をプリウス乗り(ハイブリッド車全般)やアルファード/ヴェルファイア乗り(ミニバン全車種)を日頃、営業車(RX-7・ユーノスコスモ)を転がしていますが一般道でも高速道路でも全体的にスポーツカーよりミニバンやハイブリッド車それにハイエースなどのオーバーサイズワゴンが結構な速度で走行し、高速道路やベイブリッジ/しまなみ街道(明石大橋等々)で爆走してハイブリッドとは程遠いスピードレンジを維持し100km巡行(法定速度順守)する車両を煽って進路妨害したり挑発するなりしてぶち抜いて行ってる。法的にどっちが悪いかハッキリさせないと。
中には、事故っても相手に100km以下で走ってるから当てられるんだろうがよ?
って逆ギレし警察の調書をもブッチするドライバーも居てる。
警察もどちらが悪いか道路交通法でキッチリ裁かんと。
場の雰囲気や今時の時代の流れで速度制限順守が悪と云う、暗黙のルールに流されて取り締まりがぬるいんじゃないか?
コメントありがとうございます。
車高が高い自動車は物理的に不安定です。電子制御で何とかなる問題ではありません。
管理人は、車高が高い自動車のオーナーは愛車の物理的な特性を理解し、安全速度で走行する必要があると考えます。