今回、旧知の友人が所有するTOYOTAクラウン・ロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5(210系)をドライブする機会に恵まれました。
意外や意外と言ったら失礼ながら、210系クラウンハイブリッドのドライブフィーリングに好印象を抱いたこともあり、備忘録的に書き留めておきたいと思ったのでした。
管理人は今まで、クラウン・ロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5の個人タクシーに何回か乗車したことがあり、その静粛性と走りの滑らかさを経験しています。
日本市場を知り尽くしているトヨタのクラウンは、言わばトヨタの歴史を背負ってきた伝統のブランド。
そこで、
一言で「和製ジャガー」とも表現できる、クラウンロイヤルHV(210系)のレビューをお届けします。
TOYOTAクラウン・ロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5(210系)

TOYOTA クラウン
ロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5L (DAA-AWS210) | |
全長(mm) | 4,895 |
全幅(mm) | 1,800 |
全高(mm) | 1,460 |
車両重量(kg) | 1,680 |
ホイールベース(mm) | 2,850 |
最小回転半径(m) | 5.2 |
エンジン | レギュラーガソリン
2AR-FSE 2,493cc DOHC 直列4気筒 +モーター |
内径×行程(mm) | 90.0×98.0 |
圧縮比 | 13.0 |
最高出力(PS/rpm) | 178/6,000 |
最大トルク(kg・m/rpm) | 22.5/4,200-4,800 |
変速機 | CVT |
駆動方式 | FR |
サスペンション | F: ダブルウィッシュボーン
R: マルチリンク |
タイヤ | (純正)BRIDGESTONE
REGNO REGNO GR-X1 215/55R17 |
ブレーキ | F: Vディスク
R: ディスク |
JC08モード燃費(km/l) | 23.2 |
燃料タンク容量(L) | 65 |
210系クラウンは2012~2018年にかけて生産されたモデル。
210系までは、スポーティーなアスリートとコンフォート系のロイヤルサルーンの2モデルが存在していました。
今回、ドライブしたのはロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5L。
圧倒的な静粛性と滑らかさ


クラウンの特徴と言えば、まずは、静粛性が挙げられます。
ロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5Lには、トヨタのお家芸であるハイブリッドシステムが搭載され、走行中、エンジンの存在感が薄いのが特徴。
トヨタのプリウスはクラウンほどの遮音性が与えられていないこともあり、エンジンが始動すると明確な音がキャビンに入ってきます。
その点、ロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5LはエンジンのON/OFFがほとんど気にならず、走行のスムースさと静粛性がより洗練されています。
そして、停止状態から加速していく時の滑らかさはクラウン独自の世界。
2.5L HVであれば、V6 3.0L NAエンジンは不要なのではと思ってしまうほど、必要十分なトルクと静粛性を兼ね添えたモデルと言えます。
なお、このロイヤルサルーンが履いているシューズはREGNO GR-X1。かなり摩耗が進んでいるため、タイヤから若干のゴロゴロ感が伝わってきました。
オーナーのN氏、そろそろタイヤ交換しよう!
パワーモードで元気に
インパネの液晶画面に表示されるモード切り替えをPOWERに変更すると、エンジン+モーターの太いトルクが重量級のボディを確実に押し出してくれます。
ロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5Lに特別な速さは感じないものの、トヨタHV特有のモーターアシストによる太いトルクのおかげで、エンジンを回さなくても坂道をグイグイと登っていきます。
多くのロイヤルサルーン・ハイブリッド2.5Lオーナーは動力性能に不満を抱くことは無いと思われます。
ちなみに、オーナーの話によると、平均燃費は街乗りメインで15~17km/L(ECOモード)。V型6気筒、2.5L NAエンジンであれば、街乗りの平均燃費は7~8km/Lほど。HVはV6 NA車の約2倍の燃費を叩き出すようです。
峠道もOKなサスペンション

管理人はクラウン・ロイヤルサルーンのサスペンションは柔らかいという先入観を抱いていました。しかし、今回のドライブでそのイメージは払拭されました。
山間部の峠道をドライブした第一印象として、210系クラウン・ロイヤルサルーンのサスペンションはクラウンとして適度な硬さなのではと感じました。想像していたようなフワフワ感はありません。
路面の大きめなアンジュレーションを通過すると、ボディの上下動が残るものの、それがクラウンロイヤルの味なのかもしれません。
ロイヤルサルーン2.5L HVのサスペンションは欧州車のチューニングとは異なる、かつてのクラウン的なフワフワ感とは一線を画すテイストと言っていいでしょう。
車の乗り味、乗り心地に対する感じ方は人それぞれながら、これはこれでクラウンというブランドの世界を演出していて、アリなのではと思います。
落ち着きのあるインテリアデザイン

近年、奇をてらったダッシュボードやインテリアデザインが与えられた車が散見されます。その点、210系クラウンのインテリアデザインは落ち着きがあります。
ドアからダッシュボードに貼られているウッド調パネルの木目と色合いはオーソドックスで好感が持てます。
電動パワーステアリングのチューニングに期待

ロイヤルサルーン2.5L HVは当然のことながら電動パワーステアリング仕様。
やや軽めの操舵力が低速から峠道まで続くこともあり、もう少しステアリング操舵を重くした方がいいのでは?と個人的に感じました。
しかし、クラウンオーナーの平均年齢は70歳を超えているとも言われ、このような軽めの操舵力が市場から求められているのかもしれません。
あと終始、電動パワーステアリング特有の違和感が若干ながら残っていることもあり、「?」と感じながらも、オーナーは徐々に慣れていくもの。取り立てて目くじらを立てることではないのかもしれません。
まとめ
多くのドライバーは各自動車メーカーのあらゆる車種に対して先入観のようなものを持っているのではないでしょうか。
ところが、車という工業製品は実際にステアリングを握ってドライブしないことには、何も分からないのが事実。
今回、クラウン・ロイヤルサルーン2.5L HVをドライブした印象として、想像していたクラウン・ロイヤルとは随分違いました。
2018年6月、フルモデルチェンジを受けた220系クラウンがリリースされたものの、220系のサスペンションは、ややスポーティーな味付け。クラウンらしい乗り味を求めるのであれば、210系のロイヤルサルーンの方が優位に立ちます。
「和」のテイストが漂う「和製ジャガー」クラウン・ロイヤルサルーン(210系)は日本市場とオーナーの好みを知り尽くしているトヨタらしい車。
ロイヤルサルーンの味に惚れるオーナーから根強い支持がある理由が分かってきたような気がしました。








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