若者の車離れが言われて久しい。しかし、これには前提条件があります。日本全国の若者が車から離れているわけではありません。
そして、東京や大阪の大都市圏では、車離れが進行していると言われる一方、地方圏では一部を除く多くの人にとって車は生活必需品。
なんともまだら模様の国内の自動車需要ながら、情報を整理することで将来の方向性が見えてきそうです。
大都市圏の車離れは進行中
大都市圏では「運転免許証を取得して、ローンを組んで車を購入するのが社会人の証」なんて考え方は、今や古い価値観だろうね。
大都市圏では通勤や移動で電車やバスを使いますから、愛車の所有は贅沢ですね。
というのも、マンションの駐車場の空きが目立ち始めている。全駐車台数のうち2割、3割は空いているケースが珍しくない模様。
大都市圏の通勤手段は主に電車やバス、自転車。自家用車に乗るのは休日だけ。
しかも、毎週末のように自家用車に乗るわけではない…となると、自家用車はマンションの駐車場でほとんど眠っている。
そして毎年、自動車税と任意保険料を支払い、2年毎に車検を受けて重量税と自賠責保険料を納めます。そして、車に乗る乗らないに関係無く、スターターバッテリーは劣化していく。
大都市圏のマンション住人は、月に数える程度しか乗らない自家用車の所有コストに疑問を抱いていると思う。
大都市圏で自家用車で移動するのは時間がかかりますし、ある意味、不便ですよね。
そもそも、大都市圏は都市の構造上、公共交通機関が充実しているため、自家用車を所有する意味が薄い。
このような背景の中で、大都市圏では車離れが確実に進んでいると考えて間違いはないと思う。
鉄道沿線で生活すれば、10分も歩けばスーパーマーケットや飲食店、ドラッグストア、ヘアーサロン、歯科医院、病院、クリーニング店、100円ショップも全てありますし。
ウーン・・・カーシェアリングやレンタカーで十分かも。
地方圏の車離れは進んでいないけど
人口過密ではない地方圏では、通勤や買い物、レジャー、その他の用事で日常的な足が必須。
「足」が無いと、友達に会いに行くことすらできません。
地方圏の新卒の若者は通勤に足が必要となりますから、スクーターや軽自動車、コンパクトカーを購入します。
彼らのおじいちゃん、おばあちゃんは足腰が弱くなっていることもあって、軽自動車やコンパクトカーが必要です。
地方圏では、可処分所得の中で車やバイクへの支出は優先度が高い。
しかし、日本はデフレーションが長引いているため、移動手段への支出は最小限に抑えたいニーズが高いようで、全体に占める軽自動車の販売台数が40%を超えているのだと思う。
今となっては、生活圏によって車に対する考え方と付き合い方が随分違う。
大都市圏ではカーシェアリングの会員数が上昇中
毎月のローン返済、月額駐車料金、税金、保険、車検、消耗部品代、整備点検費用を計算すると、月に数える程度しか乗らない自家用車の所有はあまりにも割高。
その点、カーシェアリングに切り替えると、月額費用は約1,000円前後。これは必要経費。
カーシェアリングやレンタカーの使い方
営業先や観光名所までタクシーで動き回るより、カーシェアリングを利用した方が自由がきく。
日本のカーシェアリングの「車両台数」は
2008年、510台。
▼
2017年、24,458台。
9年で約48倍。
「会員数」は
2008年、3,245人。
▼
2017年、1,085,922人。
9年で約335倍。
凄まじい勢いでカーシェアリングの市場が伸びているのは明らか。
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