2023年2月、管理人のメルセデス・ベンツC200(W204)は整備工場で1年点検を受けました。
今回の点検のメイン・イベントは「The 5速オートマチック・トランスミッションのATF交換」。
ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)は通称「オートマオイル」とも呼ばれるものの、以下、ATFで統一します。
合わせて、油脂類と消耗部品の交換を実施。
メルセデス・ベンツのオーナーは「ATF要交換派」と「ATF交換不要派」に分かれるかもしれません。管理人は「ATF要交換派」。
今回のATF交換後、管理人は明らかな車両の変化を体感しているため、以下、レビューしていきます。
1年点検の内容
今回の1年点検時、管理人のメルセデス・ベンツC200(W204)のオドメーターは42,196kmを表示。管理人のW204の新規登録は2011年のため、走行距離は少なめ。
点検のメニューは以下のとおり。
・法定12ヶ月点検
・ATF交換(同時にATFストレーナー交換)
・プラグ交換
・ワイパーブレード交換
・エンジンクーラント交換
・エンジンオイル交換(LIQUI MOLY 5W-40)
・オイルフィルター交換
・スペアタイヤ用エアバルブ
今回の点検は前回と同様、静岡県浜松市のGREASE MONKEY/グリースモンキーさんに依頼しました。
ATF交換
管理人のメルセデス・ベンツC200(W204)は5速AT搭載モデル。W204は前期と後期モデルに加え、管理人のW204のような前期から後期モデルの過渡期に生産された中期モデルも存在します。
CLIMAXフルードチェンジャーでATF交換&フラッシング。
ATF下抜き中。
ATフィルターも交換。
管理人はW204のATFが書道の墨汁のように黒色に劣化していると想像していたものの、意外とそれほどでもないようです。
もちろん、ATFを含む油脂類は走行距離と年数により劣化していきます。
ATF交換の理由
メルセデス・ベンツオーナーは「ATF要交換派」と「ATF交換不要派」に分かれるのではないでしょうか?
管理人が過去ブログで呟いたとおり、欧州車は日本のような信号機が多い道路事情が得意とは言い難いものがあります。
日本国内において、車両が頻繁に発進と停止を繰り返す以上、特に欧州車にとって日本はストレスフルな環境と言っても過言ではありません。
そこで、欧州車のATFを定期的に交換することで、以下のメリットがあります。
・ATトラブルの予防
・スムーズな変速
・燃費対策
メルセデス・ベンツのATF交換時期
一般論として、エンジンオイルは走行5,000km以内、または、1年に1回は要交換と考えているオーナーが一定数います。
特に、「直噴エンジン+ターボ」搭載車両のエンジンオイルは黒色化しやすく、管理人はこまめなエンジンオイル交換が必要だと考えています。
他方、ATFの交換時期に別段の決まりがあるわけではありません。中には、ATF交換は不要という考え方もあります。
メルセデス・ベンツの場合、ATFの交換時期に厳格な決まり事がある訳ではありません。(AMGや車種によっては、推奨ATF交換距離が指定されているかもしれません。)
メルセデスの整備工場やメルセデスオーナーのブログ、YouTubeで検索すると、メルセデス・ベンツの推奨ATF交換時期には幅があるようです。
ATF交換時期を大まかにまとめると、以下のとおり。
・オタク的メカニックは走行15,000~20,000km毎
・走行20,000~30,000km毎
・走行30,000~40,000km毎
・走行40,000~50,000km毎
・ATF交換は不要
ちなみに、管理人は走行40,000km前後のATF交換が適切では?と考えています。
ここで、今回のATF交換費用はこちら。
W204のATF交換費用
今回、メルセデス・ベンツC200(W204)のATF交換費用(ATFフラッシング)はオートマチック・フルードとATFストレーナー、工賃込みで50,000円以上、100,000円未満。
7速ATを搭載する後期モデルC200(W204)のATFを交換する場合、交換費用が異なるかもしれません。
ATF交換の費用対効果
AT内部では大量のATFが循環しているため、ATFの交換費用はエンジンオイル交換より割高になって当然。よって、頻繁なATF交換は車両のランニングコストを押し上げます。
オタク的メカニックのように、頻繁なATF交換は費用対効果の面で疑問符が付きます。かと言って、欧州車のATF無交換は時限爆弾的な要素を孕(はら)んでいます。
また、ATFの劣化は燃費面でもマイナス要因。
ATF交換の費用対効果を総合的に勘案すると、管理人は走行約40,000km毎のATF交換がいい落としどころではないかと考えています。
ATF交換後の変化
今回、ATF交換後の第一印象として、「W204が軽やかに加速する」の一言。今までのようにW204のアクセルペダルを踏み込むと、あたかも車重が軽くなったように加速していきます。
2つめは、「ATの変速がスムーズ」になりました。
今までは時折、減速中に僅かな変速ショックがドライバーに伝わってくる瞬間がありました。例えるならば、「シフトダウンがチョット下手なMT車オーナー」的な軽いシフトショック。
ところが、今回のATF交換後、そのような変速ショックが消えています。あたかもATがCVTのように黒子役に徹していて、ATの存在を忘れてしまうほど変速がスムーズ。
おそらく、ATF交換後、燃費にもプラスだと考えられます。
燃費向上
ATF交換後、管理人はメーターパネルの燃費計が表示する値が若干、向上していることに気付きました。もちろん、燃費は諸条件によって上下するため、管理人は「うーん、誤差の範囲内かな?」と思ったのです。
そして、ATF交換から2ヶ月後の2023年4月下旬、走行距離107kmの夜間ドライブの結果、燃費計の値は14.6km/lを表示。
ドライブコースは
・市街地走行:約20km
・国道1号(静岡県)&国道23号(愛知県)バイパス走行:約27km
・市街地→峠道→郊外道路走行:約60km
管理人の今までの経験上、上記のようなドライブコースの場合、W204の燃費は大雑把に13km/l台。上記のようなドライブで14km/l台の燃費は管理人の記憶に無いのです。
とすると、W204の燃費が向上している理由はATF交換にあると結論付けていいでしょう。あと、プラグ交換も燃費に貢献しているはず。
プラグ交換
前回の車検時、整備工場の社長さん曰く、「W204のプラグ交換の時期を迎えているかな?」とのことでした。まあ、プラグは手頃な消耗部品のため、同時にプラグ交換を依頼しました。
W204の登録から走行42,196kmまで、スパークプラグは1度も交換されていません。
写真で分かるように、古いプラグの碍子が茶色っぽく焼けているのが確認できます。また、整備工場の社長さん曰く、電極が消耗して痩せている模様。
今回のプラグ交換はいいタイミングだったようです。
LIQUI MOLYエンジンオイル交換
今回もW204にLIQUI MOLY/リキモリ・エンジンオイル(5W-40)を注入。
過去ブログで呟いたとおり、W204にリキモリ・エンジンオイルを注入すると、あたかもHONDAの4気筒エンジンのように高回転まで軽やかに回るようになります。
ターボのブーストが効き始める2,500rpm/minuteあたりから6,200rpm/minuteまでエンジンが一気に吹き上がり、体感的にパワーアップしている印象を受けています。
スペアタイヤのバルブ交換
多くのカーオーナーが忘れているスペアタイヤの存在。管理人も御多分に洩れず、スペアタイヤの存在を忘れている一人。
誰もが日常的にトランクを開けることはあるものの、スペアタイヤはほとんど放置プレイ状態。
今回、スペアタイヤのバルブが劣化していたようで、新品バルブに交換していただきました。確かに、万一のパンク発生時、スペアタイヤがパンクしていたらダブルパンチでお手上げ状態。
フロア&足回り点検
フロア点検
サスペンション点検
ブレーキ点検
まとめ
今回の1年点検の結果、「ATF交換+プラグ交換+エンジンオイル交換」のトリプル効果なのか、明らかにW204の走りと燃費が良くなっています。
特に、顕著な変化は加速性能。
新東名高速道路の加速車線に入り、アクセルペダルを奧まで踏み込むと、明らかに今まで以上の加速性能で120km/hまであっという間。
そして、従来のATの僅かな変速ショックが消滅し、スムーズな加速と減速を体感できます。結果として、1年点検に大満足のインプレッションでした。