カーナビ操作方法のUI比較-COMANDシステムvsタッチパネル式

メルセデス・ベンツCOMANDシステム

今となっては、カーナビは自動車にとって普通の装備ながら、未だに多くのカーナビはUI(ユーザーインターフェイス)に問題を抱えています。

カーナビ本体が技術的に進化しても、それを使う人間とのUIに問題があると、使い勝手が良くない機器のままなのです。今もカーナビのUIは発展途上と言えます。

カーナビの操作

メルセデス・ベンツのカーナビやエンターテイメント類の各操作は全てCOMANDシステムで操作します。

他方、日本車の純正カーナビやアフターマーケットで流通しているカーナビの多くはタッチパネル式を採用しています。

ここで、各UIの特徴について考えてみたいと思います。

COMANDシステムのUI

メルセデス・ベンツCOMANDシステム

メルセデスが採用しているCOMANDシステムは近年のメルセデスに標準の装備。このUIについて検証してみましょう。

COMANDシステムのメリット

COMANDシステムに慣れてしまうと、明らかにタッチパネル式よりも操作性が上だと感じます。このUIの大きな特徴として、走行中でもドライバーの運転姿勢が変化しないところ。

右ハンドル車であれば、左手でコンソールのCOMANDシステムを操作するため、ドライバーの運転姿勢に変化が無く、これは安全運転に繋がります。

COMANDシステムでカーナビはもとより、チューナー、オーディオ、TV、DVD、車両設定等の操作ができるため、インパネのスイッチ類を大幅に減らすことができます。

また、COMANDシステムには音声認識機能が内蔵されているため、これを使いこなすことで操作性はより向上すると思います。

なお、この音声認識を使いこなすには、マニュアルを熟読する必要がありますね。

COMANDシステムのデメリット

最初、COMANDシステムのロジックに慣れるまで少々時間が必要です。

しかし、メニュー構成はWindowsと同様のため、Windowsマシーンに慣れている方であれば、すぐに操作方法を習得できます。

もう1点は、Cクラス W204の場合、カーナビの目的地設定の画面で「名称」を入力する際、COMANDダイヤルを忙しく前後と回転方向に動かさなければならないところ。このUIに関しては、タッチパネル式に軍配が上がると思います。

タッチパネル式のUI

カーナビ

タッチパネル式は多くのドライバーが慣れ親しんでいるUI。

タッチパネル式のメリット

多くのカーナビはタッチパネル式のため、ドライバーが違うメーカーのカーナビを操作する時でも、ある程度は操作が可能ではないでしょうか。

しかし、どのメーカーのカーナビもUIが日本の家電製品的でApple製品のように直感的な操作ができません。AppleのようなUIを搭載しているナビがあれば、教えてほしいくらいです。

タッチパネル式のデメリット

カーナビゲーション

カーナビの設置位置にもよるものの、タッチパネル式はドライバーが左腕を前方に伸ばしてパネルを操作する方式。どうしても、運転姿勢が変化しやすいデメリットがあります。

小柄な女性の場合、左肩がバックレストから離れた状態で操作することになるため、より姿勢変化が大きくなります。

ドライバーが運転中にタッチパネルを操作すると、運転姿勢の変化によって自動車が蛇行してしまうことすらあります。(道路交通法では、ドライバーは走行中、モニターを注視してはならないとあります。)

対策として、アフターマーケットのパイオニアからドライバーのジェスチャーを読み取る機能が組み込まれています。

スマホ感覚のUI

アフターマーケットで流通しているカーナビの中で、スマートフォンと同様にピンチアウトやスワイプ操作が可能なモデルがあります。

スマホに慣れ親しんているユーザーにとって、これは取っ付きやすいUIかもしれません。しかし、走行中は車体が揺れていることもあり、ピンチアウトやスワイプ操作がやりにくく、ある意味危険なUIかもしれません。

このタイプのUIは停車状態の操作が前提なのでしょう。

スマホのUIは、あくまで静的な状態での操作を前提にしています。それを車内に持ち込むと、問題があるとも言えるでしょう。

確かに、iPhoneのUIは完成度が高いかもしれません。しかし、ドライバーは走行中、モニターの注視は不可でピンチアウトやスワイプ操作も難しいのです。

さて、

例えば、家庭用TVの世界では、日本ブランドは総じてUIに問題があります。

TVリモコンの操作性に関しては、日本勢は韓国LGのマジックリモコンに完敗状態です。

人と機器を繋ぐUIこそ、エレクトロニクス機器の生命線であるのに、UIをなおざりにしてきた経緯がカーナビにも引き継がれてしまっているところが残念です。

AIに期待

いずれにしても、COMANDシステムとタッチパネル式のどちらであっても、ドライバーがナビを操作することで意識が運転から離れがちになります。

AI技術をカーナビに融合させて、発音や訛りがあっても、それを認識する精度の向上が今後の課題。カーナビの機能は随分と進化したものの、UIに関してはまだまだ進化の途上だと思いますね。

[関連記事]

2018年10月、メルセデス・ベンツAクラスがW177へフルモデルチェンジ。W177の最大の目玉はMBUXを搭載し、話すAクラスへと進化しました。インパネに液晶モニターが2つ設置され、今やドイツのマイスターは右手に工具、左手にスマホなのでしょうか。
ドライバーが自動車に乗り込んで目的地に到着するまでに、認知、判断、操作の連続です。人は決断を繰り返す以上、間違える時があります。それを自動車側でアシストするのが理想的ながら、そこに到達していない自動車が少なくありません。その問題点とは?
スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク